概要
- ジェンスン・フアンCEOはWSJ報道を否定し、オープンAIに巨額の投資を行い、これまでの投資の中で最大規模になると述べた。
- オープンAIは今年1〜3月期中の完了を目標に最大1000億ドルの資金調達を進めており、成功すれば企業価値は最大8300億ドルに達するとした。
- AI業界関係者は、エヌビディア取締役会内のAIブームの先行き不透明感や、オープンAIの崩壊がエヌビディアに致命的となり得るとの懸念の中で、両社の関係がAIブームの持続可能性を測る尺度になると指摘したと伝えた。
AIブーム・バブルを見極める尺度となるか
WSJ報道からわずか1日で「急転」
フアンCEO、台湾メディアを通じて反論
「米メディアの主張は話にならない」
「余波」収束しない可能性
「エヌビディア取締役会内で不満が高まる」

エヌビディアのジェンスン・フアン最高経営責任者(CEO)が、オープンAIへの投資を保留するとのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)の報道を、わずか1日で真っ向から否定した。世界的なAIブームが構造的に成長し得るのか、それともすでにバブル局面に入ったのかという、AI業界と資本市場の問題意識が映し出された象徴的な場面だとの見方が出ている。
オープンAIの1〜3月期資金調達に注目
フアンCEOは31日(現地時間)、台湾・台北で記者団に対し、自身がオープンAIへの批判や懸念を示したとの報道について「話にならない」と一蹴した。さらに「オープンAIの取り組みは驚異的で、彼らは我々の時代で最も影響力のある企業の一つだ」とした上で、「サム・アルトマン、オープンAICEOと一緒に働くのが本当に好きだ」と強調した。併せて、オープンAIに投資することも明確にした。「我々はオープンAIに巨額の投資を行う。おそらく、これまで行ってきた投資の中で最大規模になるだろう」と述べた。
この発言は、前日のWSJ報道への反論だ。WSJは関係者の話として、エヌビディアが昨年9月に発表したオープンAIへの投資計画を保留することを決めたと伝えた。当時エヌビディアは、AIブーム維持のための自家取引だとの批判がある中でも、オープンAIに数年にわたり1000億ドルを投資するとしていた。WSJは、フアンCEOがオープンAIの事業アプローチには規律が欠けると批判し、グーグルやアンソロピックなどとの競争に直面しているとの懸念を示したと書いた。
現在、オープンAIは今年1〜3月期中の完了を目標に、最大1000億ドル(約145兆ウォン)を調達する投資ラウンドを進めている。調達に成功すれば、同社の企業価値は最大8300億ドル(約1224兆ウォン)に達する見通しだ。マイクロソフト(MS)やアマゾンなどのビッグテックが今回のシリーズに資金を投じると見込まれている。AI半導体エコシステムを主導するエヌビディアが投資を保留すれば、オープンAIの今回の資金調達に少なからぬ負担として作用し得るとの分析が出ている。
グーグルに押される生成AIの「元祖」
今回の論争は、オープンAIを巡るAIバブル論をめぐって続く議論の延長線上にあると解釈される。MSだけでも、昨年10〜12月期の決算発表で設備投資(CAPEX)が前年同期比66%増の375億ドルに達したと明らかにした。加えて主力のクラウド「Azure」部門の成長が鈍化し、AIバブル論が再び頭をもたげた。ジェンスン・フアン氏は、この論点が再燃するたびに、AI市場の成長は続くとの立場を維持してきた。
フアンCEOが台湾メディアの前で事態の鎮静化に努めたことが、かえってAIバブルの可能性に油を注ぎかねないとの指摘もある。AI業界関係者は「WSJ報道は単なるうわさの域を超え、エヌビディア取締役会の内部でAIブームの将来を確信できない空気を反映したものだ」と推測した。
オープンAIは、2022年のChatGPT投入で生成AIブームを引き起こした立役者だ。しかし最近は、企業向け(B2B)のAI市場ではアンソロピックに、消費者向け(B2C)市場ではグーグルに主導権の一部を渡したとの評価を受けている。オープンAIの失速はエヌビディアにとっても致命的だ。高価な先端GPUを継続的に供給するには、オープンAIのような大口需要先の成長が不可欠だからだ。AI業界関係者は「フアンCEOとしては、オープンAIへの投資を抑えつつ、AIバブル論に火をつけない妙案を見いださなければならない状況だ」と指摘した。
エヌビディアとオープンAIの関係は、AIブームの持続可能性を測る尺度になるとの見方が強い。
カン・ヘリョン記者 hr.kang@hankyung.com

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