概要
- ドナルド・トランプ米大統領は相互関税の違法判決を受け、全世界を対象に10%の追加関税を課し、通商法122条を用いたグローバル関税を導入すると表明した。
- トランプ大統領は10%のグローバル関税が約5カ月間維持され、その後、他国に公正な関税、別の関税を課すためのさまざまな調査を進めると述べた。
- スコット・ベセント財務長官は、IEEPA関税に代えて232条および301条の関税権限、122条権限を活用し、その場合、2026年の関税収入は事実上変動しないと主張したと明らかにした。
「還付は法廷で争う」

ドナルド・トランプ米大統領は、連邦最高裁が20日(現地時間)に相互関税を違法と判断した判決を受け、全世界を対象に10%の追加関税を課すと表明した。
トランプ大統領は同日午後、ホワイトハウスの記者会見で「通商法122条を用い、グローバル関税10%を追加する内容に本日署名する」と述べた。
▶122条に基づき150日間、10%のグローバル関税を賦課
通商法122条は、「大規模かつ深刻」な国際収支赤字に対応するため、貿易相手国に最大15%の「輸入サーチャージ」(import surcharge)を課し、輸入クォータを設定する権限を行政府に付与している。ただし、こうした措置は150日間のみ有効だ。トランプ大統領も同日の記者会見で、この措置が「約5カ月間維持される」と述べた。さらに「約5カ月の間、他国に公正な関税、つまり関税期間を適用するために必要なさまざまな調査を進める」とした上で、「われわれには望むとおりにする権利があるが、実際に課すつもりだ。おそらく3日後からになるだろう」と説明した。
議会の同意があれば150日を超える関税賦課も可能になり得るが、トランプ政権がこのハードルを越えるために議会と協調する可能性は高くない。上院・下院とも共和党が握っているものの大きく過半を上回っているわけではなく、共和党内にもトランプ大統領の関税政策への批判が少なくない。離反が出ることを踏まえると、議会通過を試みることは、トランプ大統領特有の強硬な関税政策を事実上放棄するのに等しいためだ。
▶ライセンス手数料なら権限内と言及
トランプ大統領は同日の記者会見で、ライセンス手数料の形であれば権限があると言及したが、具体的にこの内容を進展させることはなかった。
▶外国との貿易協定は有効だが別の形で進める
外国と締結した貿易協定の有効性について問われると、あいまいに回答した。トランプ大統領は「一部は維持(stand)される。相当数は維持される。一部は維持されないだろう。そうしたものは別の関税に置き換えられる」と述べた。続けて「すべての協定は有効だが、単に別の方式で進める」と付け加えた。
▶還付を巡り「5年間、法廷で争う」
既に徴収した関税の還付について、トランプ大統領は「今後5年間、法廷で争うことになる」と述べ、容易に還付する意思がないことを示した。還付を受けるには、米政府を相手に長期の訴訟戦を戦わなければならないということだ。

▶ベセント氏「今年の関税収入は変動しない」
スコット・ベセント財務長官は同日、ダラス経済クラブでの講演の締めくくりで判決内容について「裁判所はトランプ大統領の関税政策に反対する判決を下したのではない」と強弁した。さらに「6人の判事は、国際緊急経済権限法(IEEPA)の権限が、たった1ドルの歳入を上げるためにも使用できないと判断したにすぎない」とし、「IEEPA関税に代わる別の代替的な法的権限を発動する」と述べた。
ベセント長官は「数千件の法的訴訟を経てその正当性が立証されてきた232条および301条の関税権限を活用する」とし、「財務省の試算によれば、122条権限の行使が、今後さらに強化され得る232条および301条の関税と組み合わされる場合、2026年の関税収入は事実上、何の変動もないだろう」と主張した。
ワシントン=イ・サンウン特派員 selee@hankyung.com

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