オープングラディエント、「検証できないAIに信頼なし」 検証型AIインフラ構築
概要
- オープングラディエントは、計算と検証を分離したインフラを通じて、AIの結果の完全性を担保する検証型AIインフラを構築していると明らかにした。
- ユニスワップV4のAMMにAIモデルを適用して動的手数料を調整した結果、流動性供給者のインパーマネントロスを約16〜17%%減らしたと説明した。
- オープングラディエントは、OPGトークンを通じて誤った計算結果を提出したノードをスラッシングする仕組みを導入し、ネットワークの信頼性を高める計画だ。
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「AIがより多くの意思決定を担うほど、重要なのは性能ではなく検証可能性だ。検証がなければ、より安価なモデルに置き換えられたり、データがゆがめられたりしても、利用者はそれに気づけない。私たちは計算と検証を分離し、結果の完全性を担保するインフラを構築している」
BUIDL Asia 2026が6月16日、ソウルのソフィテル・アンバサダーで開かれた。基調講演に登壇したオープングラディエント(OpenGradient)の共同創業者、マシュー・ワン氏は「検証可能なAI」をテーマに、AIインフラの信頼性とプライバシーの課題に対する解決策を示した。
ワン氏は、AIが個人データや企業の意思決定に深く関与するなかで、「検証可能性」が中核インフラの要件として浮上していると指摘した。「AIエージェントがリサーチリポートを生成する際、実際にどのモデルとデータが使われたのか確認できる必要がある。検証できない構造では、結果を信頼するのは難しい」と語った。
この課題に対応するため、オープングラディエントは「ノード特化(Node Specialization)」の構造を導入した。GPUと信頼実行環境(TEE)ノードで構成するインフラ層で計算を担い、ブロックチェーン層で結果を検証する仕組みだ。ワン氏は「計算は高コストの環境で処理し、検証は低コストのブロックチェーンで実行することで、効率と信頼性を同時に確保できる」と説明した。信頼実行環境は、外部からのアクセスを遮断した安全な領域で、データを保護したまま計算する技術を指す。
実際の活用例も示した。オープングラディエントは、ユニスワップV4の自動マーケットメーカー(AMM)にAIモデルを適用し、動的手数料を調整した結果、流動性供給者のインパーマネントロス(IL)を約16〜17%減らしたと明らかにした。ファイルコインのエコシステムでは、ノード性能を評価するモデルを通じて、インセンティブ配分の仕組みの改善にも活用している。インパーマネントロスは、流動性供給の過程で資産価格が変動することで、単純保有に比べて生じる潜在的な損失を意味する。
同社が運営するモデルハブは、現在4000超のAIモデルを提供するプラットフォームに拡大した。ワン氏は「開発者が多様なモデルを容易に活用し、検証可能な形でdAppに統合できる環境を整えている」と述べた。
個人に最適化したAIサービスも紹介した。ウォレットベースのポートフォリオ管理エージェントや、利用者データを統合して「デジタルツイン」を生成するサービスなどが代表例だ。ワン氏は「TEEベースの計算によって個人データは完全に保護され、利用者だけがアクセスできる構造を維持する」と強調した。
セキュリティー強化に向けたトークン経済モデルも公開した。オープングラディエントは独自トークン「OPG」を通じ、誤った計算結果を提出したノードをスラッシングする仕組みを導入する計画だ。ワン氏は「正確な計算と検証を促す経済的インセンティブが、ネットワークの信頼性を高める」と話した。
ワン氏は「AIをより賢くすること以上に重要なのは、信頼できるAIをつくることだ。検証とプライバシーをインフラの段階で解決してこそ、AIは金融や産業全般で安全に活用できる」と語った。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.





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