9000億ドルの広告市場、AIエージェントとブロックチェーンのマイクロ決済で再編へ
概要
- パネルでは、AIエージェントが新たな消費主体として台頭し、広告とマーケティングの構造が再編され、その中心がブロックチェーン基盤へ移るとの見方で一致した。
- ヤット・シウは、従来型広告の効用は低下し、エージェント間取引を基盤とするマイクロ決済の仕組みと、ブロックチェーン上での少額精算が広がると述べた。
- パネルでは、AIエージェントが反復的な消費やB2B調達でゲートキーパーの役割を担い、消費判断の自動化によって市場成長の速度が増すと指摘した。
期間別予測トレンドレポート



Web3業界の専門家は、AIエージェントが新たな消費主体として台頭することで、広告とマーケティングの構造が根本から組み替わり、その中心がブロックチェーン基盤へ移ると口をそろえた。
ソウルのソフィテル・アンバサダーで4月16日に開かれた「BUIDL Asia 2026」では、AIエージェントを軸とする経済とマーケティング構造の変化が主要テーマに上った。パネル討論には、アニモカ・ブランズ(Animoca Brands)の共同創業者ヤット・シウ、バーチャルズ・プロトコル(Virtuals Protocol、VIRTUAL)のリードを務めるレナ・カン、アイアンクロー(Ironclad)の共同創業者ジャッキー・マニアンらが参加した。
登壇者らは、製品の主要な消費主体が人間からAIエージェントへ広がりつつあると診断した。レナ・カンは「これまではウェブサイトのデザインやコピーが重要だったが、いまはAPIの安定性と構造化データの品質の方がより重要になっている」と語った。検索エンジン最適化(SEO)中心の戦略から、エージェント最適化(AO)への転換は避けられないとも指摘した。
マーケティング手法の変化も具体的に示された。従来のクリック率中心の指標に代わり、AIが製品をどの程度信頼し選ぶかを示す「AI認証」の概念が重要になっているという。ウェブサイトのインターフェースよりも、エージェントが接続するデータ構造やAPI設計が競争力の源泉として浮上しているとの説明もあった。
広告のあり方も抜本的に変わる見通しだ。パネルでは、これまでの広告が利用者の注意を引く仕組みだったのに対し、今後はエージェントが直接取引を実行する環境へ移るとの展望が示された。ヤット・シウは「従来型広告は徐々に効用を失い、エージェント間取引を基盤とするマイクロ決済の仕組みに転換するだろう」と述べた。さらに「ウェブサイトはAPIを通じてエージェントと直接つながり、取引はブロックチェーン上で少額単位で精算される形になる」と説明した。
ブランド戦略の見直しも避けられないとの指摘が出た。ヤット・シウは「ブランドは結局、信頼を意味する」としたうえで、「AIエージェントもまた、信頼できる対象を選ぶ役割を担うことになる」と語った。エージェントは人間よりはるかに多くの取引をこなせるだけに、購買意思決定の過程で信頼の確保を巡る競争は一段と激しくなるとの見方も示した。
これに対し、レナ・カンは人間とエージェントの双方を意識した「デュアルブランディング」戦略を提示した。「人間向けのストーリーテリングや感性的な要素は引き続き重要だが、同時にエージェントが理解できるポリシーやデータ構造、API設計も並行して整備する必要がある」と話した。
電子商取引の構造変化を巡る議論も続いた。パネルでは、エージェントが反復的な消費やB2B調達の領域で急速に広がると分析した。今後の主要な取引フローでは、ゲートキーパーの役割を担う可能性が高いという。とりわけ、AIエージェントが利用者に代わって製品を探し、選ぶ構図が広がれば、消費判断の相当部分が自動化されるとみている。
ジャッキー・マニアンは「現時点で最大の制約は技術ではなく、エージェント活用に対する理解不足だ」と述べた。そのうえで「エージェントが単なるチャットボットではなく、自律的に行動する実行主体だという認識が広がれば、市場の成長速度はさらに速まる」と強調した。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.





