概要
- サムスン電子は、米テキサス州のテイラー・ファウンドリー工場を下半期から本格稼働させ、TSMC追撃に拍車をかける方針だ。
- テイラー工場の最初の製品は、テスラの次世代自動運転半導体AI5・AI6となる。約165億ドル規模の受注を足場に、追加受注の機会が開ける可能性がある。
- サムスン電子は、2ナノGAA超微細工程と歩留まり60%%水準の達成を通じ、ファウンドリーの収益性改善とシェア反転の分岐点を築く考えだ。
期間別予測トレンドレポート



サムスン電子が、北米市場攻略の中核拠点と位置づける米テキサス州テイラーのファウンドリー(半導体受託生産)工場の稼働準備を終えた。2022年11月の着工から3年6カ月で立ち上げ段階に入る。サムスン電子は下半期に本格稼働するテイラー工場を橋頭堡に、台湾積体電路製造(TSMC)追撃を加速する方針だ。
業界によると、サムスン電子は5月24日にテイラー工場で主要装置の搬入式を開く。式典にはハン・ジンマン ファウンドリー部門社長をはじめ、同社の主要経営陣や、国内外の素材・部品・製造装置メーカーの関係者が大挙して出席する。
テイラー第1工場は当初、2024年10月の稼働を目標としていたが、受注確保などの問題で建設日程がやや遅れた。サムスン電子は2024年に工事を再開した後、現地人員を積極的に増やして工期を短縮した。現地関係者は「中核装置は先週から搬入が始まった」と語った。量産準備は事実上、最終段階を越えたという。
テイラー工場の稼働を告げる最初の製品は、テスラの次世代自動運転半導体「AI5」と「AI6」だ。サムスン電子は2024年7月、テスラから約165億ドルの受注を確保した。イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が前日、自身のXで「AI5の設計を完了した」と明らかにし、サムスンに謝意を示したことから、両社の協力は生産段階へ急速に移る見通しだ。AI5はサムスン電子とTSMCが、AI6はサムスン電子が全量を生産する。

業界では、テスラの厳格な品質基準を満たせるかどうかが、今後の追加受注を左右するとみる。メタやマイクロソフト(Microsoft)などのビッグテックは、TSMCがアップルやエヌビディア向けを優先して生産枠を配分しているため、半導体の確保に苦戦している。独占的な地位を背景にした値上げへの不満も強い。サムスン電子がテスラ向け半導体の生産で実力を証明できれば、大型受注の機会が開ける可能性がある。
サムスン電子の勝負手は、ゲート・オール・アラウンド(GAA)を適用した2ナノメートル(1ナノは10億分の1メートル)ベースの超微細工程だ。人工知能(AI)の高度化に伴う最先端半導体需要を先取りするため、当初は4ナノとしていた計画を2ナノに切り替えた。4ナノ工程を導入した米国のTSMC工場との差別化を狙う。
収益性の改善期待も大きい。テイラー工場が本格稼働すれば、多額の投資に比べて業績が振るわなかったファウンドリー事業部の黒字転換時期も早まる見通しだ。
焦点は歩留まりにある。サムスンのファウンドリー部門は最近、2ナノ工程の歩留まりを60%水準まで引き上げ、量産の安定化に総力を挙げている。業界関係者は「テイラー工場で歩留まりを立証できるかどうかが、サムスンのファウンドリー市場シェア反転の最大の分岐点になる」と指摘した。
キム・チェヨン/イ・グァンシク記者 why29@hankyung.com

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