ダブルゼロ「仮想資産にも機関向け専用網が必要」 ウォール街並みのデータ公平性確保へ
概要
- ダブルゼロは、高性能なファイバーネットワークとマルチキャスト技術によって、ブロックチェーンを機関向けインフラへ引き上げられるとした。
- マルチキャストの適用により、ソラナのデータ伝播における帯域幅使用量を99.96%%削減し、情報の非対称性を和らげることで取引環境の公平性を高められると説明した。
- リアルタイム市場データ基盤ダブルゼロ・エッジは、USDC決済で無許可型のデータフィードを提供し、データ提供者と開発者に収益を分配するインセンティブモデルを構築していると明らかにした。
期間別予測トレンドレポート



「公衆インターネットは遅延と変動性が大きく、高性能な金融システムには向かない。ダブルゼロ・エッジを通じてデータ伝送の公平性を確保し、ブロックチェーンを機関向けインフラへ引き上げられる」
ダブルゼロ(DoubleZero)の共同創業者、オースティン・フェデラ氏は6月17日、ソウルのソフィテル・アンバサダーで開かれた「BUIDL Asia 2026」でこう述べた。ブロックチェーン金融インフラの構造的な限界を指摘し、物理ネットワークの革新が必要だと強調した。
フェデラ氏は、仮想資産業界がなお公衆インターネット網に依存している現状を問題視した。「インターネットはデータ転送時間が一定せず、瞬間的に遅くなったり速くなったりする変動が大きい」と説明。「こうした『ジッター(jitter)』は信号伝達の速度がばらつく現象で、速度と一貫性が重要な金融取引では致命的だ」と指摘した。
データが毎回異なる経路を通る非決定的な構造も、遅延を大きくする要因に挙げた。このため、同じデータでも到着時間に差が生じるという。
グーグルやメタなどの大手テック企業、伝統的な金融機関が独自の専用ネットワークを運用するのも、こうした制約を克服するためだと分析した。ブロックチェーンでも、機関投資家向け水準の性能を実現するには同じアプローチが必要だと訴えた。
ダブルゼロは、こうした課題の解決を目的に構築した高性能ファイバーネットワークだ。17超の独立パートナーが物理インフラを共同運営する仕組みで、従来の専用線と異なり、ネットワーク自体に分散性と信頼性を持たせた点を特徴とする。
中核技術として示したのがマルチキャストだ。「従来のインターネットでは利用者の数だけデータを繰り返し送る必要があるが、マルチキャストでは一度送ったデータを複数の受信者が同時に受け取れる」と説明した。
この技術を適用した結果、ソラナのデータ伝播に伴う帯域幅使用量を99.96%削減したという。効率性の改善にとどまらず、すべての参加者が同時にデータを受け取れるため、情報の非対称性を和らげる効果もあると強調した。
とりわけ、データ伝送の「公平性」を中核価値に据えた。従来のブロックチェーンでは一部ノードが先にデータを受け取り、取引で有利な立場を得ることがある。これに対し、マルチキャストを使えば同じデータを同時に配信でき、取引環境の公平性を高められると説明した。
6月17日の講演では、リアルタイム市場データ基盤「ダブルゼロ・エッジ(DoubleZero Edge)」も紹介した。同プラットフォームは、バリデーターが生成するブロックデータをマルチキャスト方式で送信し、市場参加者にリアルタイムで提供する。
フェデラ氏は「ダブルゼロ・エッジはブロックチェーンベースの無許可型データフィードシステムだ」と語った。利用者は別途アカウントや認証手続きを経ず、スマートコントラクトでUSDC決済すれば直ちにデータを購読できるという。
現在、このプラットフォームにはソラナのバリデーターの半数超が参加している。データ提供者と開発者に収益を分配する仕組みを通じ、新たなインセンティブモデルの構築も進んでいる。
フェデラ氏は「ダブルゼロは、ブロックチェーンが理論上の性能に近い速度を実現できるよう支えるインフラになる」と述べた。

Minseung Kang
minriver@bloomingbit.ioBlockchain journalist | Writer of Trade Now & Altcoin Now, must-read content for investors.





