概要
- JRグローバルリーツが上場REIT史上初の 債務不履行 に陥り、売買停止 と 上場廃止の可否 の検討で、約 2000億ウォン(約220億円) の個人投資家資産が凍結されたと伝えた。
- TIGERリーツ不動産インフラ、PLUS Kリーツなどの組み入れ REIT ETF は、リバランス不能、NAV乖離率の拡大、流動性供給の萎縮 により、適正価格での売買が難しくなったとした。
- JRグローバルリーツは 高金利、高為替レート、欧州不動産価値の下落、キャッシュトラップ で黒字倒産の危機に追い込まれ、上場REIT市場全体で リスク管理体制の再点検 が必要になったと伝えた。
期間別予測トレンドレポート



JRグローバルリーツは2020年、韓国初の海外不動産公募REITとして華々しく上場した。年7%台の高配当とベルギー政府という超優良テナントを前面に出し、一時は「国民REIT」とも呼ばれた。だが今や、上場REIT史上初の債務不履行という不名誉を背負った。今回の事態を受け、上場REIT市場全体への不信が強まるとの懸念も広がっている。
◇REIT ETFにも飛び火
4月28日の証券業界によると、2025年末時点でJRグローバルリーツ株を保有する少額株主は2万8200人で、全株式の73.63%を握る。このほか、REIT ETFを運用するミレアセット資産運用が顧客口座を通じて8.51%、サムスン資産運用が5.05%を保有している。ETFを通じた間接投資まで含めると、個人顧客の比率は90%に達する。時価総額ベースでは約2000億ウォン(約220億円)の個人投資家資産が凍結された格好だ。上場廃止の可否が決まるか、再生手続きが終わるまでは、投資家は保有株を処分できない。
株主が資金を回収するまでには相当の時間がかかりそうだ。自律的構造調整支援(ARSプログラム)が動けば、裁判所は最長3カ月、再生手続きの開始を見合わせ、債権団との協議を見守る。協議が決裂して正式な再生手続きに入れば、再生計画案の認可まで通常1年以上を要する。
REIT ETFの投資家も二次被害を避けにくい。TIGERリーツ不動産インフラ、PLUS KリーツなどJRグローバルリーツを組み入れたETFは、リバランス(銘柄入れ替え)ができない。売買停止で基礎資産の価値評価が不透明になれば、ETFの純資産価値(NAV)と市場価格の差である乖離率が広がり、流動性供給も細る。投資家は適正価格でETFを売買しにくくなる。
JRグローバルリーツが発行した債券は売買できるものの、買い手探しは難航する公算が大きい。同社の信用格付けは3月に「A-」から「BBB+」へ引き下げられ、4月27日には投機的等級の「BB+」、4月28日には債務不履行を示す「D」まで落ち込んだ。電子短期社債400億ウォン(約44億円)と公募社債3390億ウォン(約373億円)を含む市場性借入金は3890億ウォン(約428億円)にのぼる。このうち相当部分を個人投資家が引き受けたとされる。
◇金利・為替・貸し手の「三重苦」で黒字倒産危機
2025年末時点のJRグローバルリーツは黒字企業だった。現金性資産は994億ウォン(約109億円)、純利益は162億ウォン(約18億円)を確保していた。だが、ベルギーの金融会社が発動した「資産凍結(キャッシュトラップ)」で資金の流れがせき止められ、黒字倒産の危機に追い込まれた。
背景には高金利とウォン安・ユーロ高がある。JRグローバルリーツがベルギーのファイナンスタワーを組み入れた当時、ベルギーの金融会社に支払う担保付き融資の金利は年1%台だった。ところが、2024年末の借り換え(リファイナンス)局面で年4〜5%台へ跳ね上がった。欧州不動産の価値下落で担保認定比率(LTV)も上昇した。現地の貸し手団は4月16日、賃料などのキャッシュフローをベルギー金融会社向け融資の返済に優先充当するキャッシュトラップを発動した。
これに加え、ウォン・ユーロ相場の急変に伴う為替ヘッジの決済負担も重なった。JRグローバルリーツは投資金額の100%を為替ヘッジしていたが、この3年で相場は1ユーロ=1350ウォン台から1720ウォン台へ27%以上上昇し、約1000億ウォン(約110億円)の決済負担が生じた。
JRグローバルリーツは、ベルギーの金融会社がファイナンスタワーの価値を過度に低く見積もったとして、英国の裁判所に異議を申し立てるなど法的対応に乗り出した。負債負担を減らすため、米マンハッタンのビルも売却する方針だ。
市場関係者は、今回の事態が上場REIT市場全体を敬遠する動きに広がる可能性を懸念する。韓国の上場REIT25銘柄の時価総額合計は10兆7000億ウォン(約1兆1770億円)に達する。投資銀行(IB)業界関係者は「低金利時代に組んだ調達構造が、高金利環境では持ちこたえられないという構造的限界に直面した」と指摘したうえで、「REIT市場全体のリスク管理体制を見直す時期に来ている」と語った。
チェ・ソクチョル/ペ・ジョンチョル記者 dolsoi@hankyung.com

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