期間別予測トレンドレポート


日産自動車とSKオンが結んだ15兆ウォン(約1兆6200億円)規模の車載電池供給契約が白紙になる公算が大きいことが5月4日、分かった。SKオンは日産の米ミシシッピ州キャントン工場向けに電池を供給する契約を結んでいたが、日産が同工場での電気自動車(EV)生産計画自体を撤回した。両社は契約内容の見直し協議に入った。米国でEV補助金が縮小し、自動車市場が内燃機関車やハイブリッド車中心に再編されるなか、韓国の電池メーカーと世界の完成車大手の提携が相次いで揺らいでいる。

電池業界によると、SKオンと日産は2028年に始まる99.4ギガワット時(GWh)規模の電池供給契約を再検討している。両社は2025年3月、中型EV約100万台分にあたる電池の供給契約を結んだ。契約額は15兆ウォン前後とされる。SKオンにとって、日本の完成車メーカーと結ぶ初の電池供給契約だった。
日産のEVシフトが想定より遅れ、契約の履行に支障が出た。業界によると、日産は2026年4月、電池などの部品メーカーに対し、米ミシシッピ州キャントン工場で進めてきたEV生産計画を撤回する予定だと通知した。日産は2028年からスポーツ多目的車(SUV)2車種とセダン2車種の計4車種のEVを米国で生産する計画だったが、これを無期限で先送りした。2026年に全モデルの40%をEVに切り替え、2030年に60%へ引き上げる本社計画も後ろ倒しになった。米国でのEV投入計画を再び公表するかどうかは明らかになっていない。
EV生産計画を撤回したキャントン工場は、今後ピックアップトラックとSUVの生産拠点として使う見通しだ。SKオン関係者は「日産がEV生産撤回の方針を伝えてきた。電池供給契約を巡る協議を改めて進めている」と語った。
日産は2010年、世界初の量産EV「リーフ」を投入した先駆者だ。ただ、その後10年以上にわたり有力な後継車を出せなかった。EV専用プラットフォームの開発などへの投資も手薄で、主導権を失った。テスラや中国のEVメーカーを追うため、遅れて投資計画を打ち出したが、反転のきっかけはつかめていない。業界関係者は「EV転換の遅れに加え、ホンダとの統合が頓挫する過程で新事業が勢いを得られなかった」と分析する。
SKオン以外の韓国電池各社も、米国市場で結んだ一部契約の取り消しに直面している。サムスンSDIはステランティスと米インディアナ州に設立した電池合弁会社、スタープラスエナジー(StarPlus Energy、SPE)の清算を検討している。LGエナジーソリューションは、ステランティスとのカナダ合弁会社ネクストスターエナジー(NextStar Energy、NSE)の持ち分を整理した。フォードとSKオンも、合弁会社ブルーオーバルSKの資産を分割することで合意し、袂を分かった。完成車メーカーとの合弁が崩れれば、既存の電池納入契約も再調整や破談に向かいやすく、業績への影響は大きい。EVのキャズム(普及前の一時的な需要減)に加え、米政府が2025年10月からEV補助金(税額控除)を廃止し、この流れを強めた。
一方、欧州ではEV需要が増え、販売は持ち直している。2026年3月、SKオン製電池を搭載した欧州EVの販売台数は前年同月比29%増えた。フォルクスワーゲンの「ID.7」やアウディの「Q4 e-tron」が販売をけん引した。SKオンのハンガリー・コマーロム第2工場は2026年4月末時点で6本の生産ラインがすべて稼働し、稼働率はフル操業に近い水準まで上がった。欧州のEV市場は主要15カ国で2026年4月の新規登録台数が22万4000台と、前年同月比51.3%増えた。政策支援に加え、米国とイランの戦争で原油価格が大きく上昇し、EV需要が増えたためだ。
キム・ウソプ/ヤン・ギルソン記者 duter@hankyung.com

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