概要
- 米国とイランは、戦争終結と核問題解決に向けたMOU締結に接近しており、今後30日間にわたり細部条件の交渉を続ける案を検討していると伝えた。
- MOUには、米国の対イラン制裁解除と凍結資産の一部解放、イランによるホルムズ海峡の通航制限の段階的解除、米国による海上封鎖の段階的解除が盛り込まれる予定だと報じた。
- 米・イラン交渉の進展を受け、国際原油は10%%以上急落し、WTIは1バレル89ドル、ブレント原油は1バレル99ドルまで下げたと伝えた。
期間別予測トレンドレポート


核問題解決へ覚書締結が近づく
今後30日間、細部条件を交渉
国際原油は一時10%超下落

米国とイランが、戦争終結と核問題の解決に向けた了解覚書(MOU)の締結に近づいた。米ニュースサイトのアクシオスが5月6日に報じた。イラン革命防衛隊(IRGC)も同日、米国の脅威が止んだことを受け、ホルムズ海峡を通る船舶の安全な通航が保証されると表明した。米・イラン戦争が事実上の終戦手続きに入ったとの受け止めが広がり、国際原油相場は10%前後急落した。
アクシオスは5月6日、米国とイランが戦争終結に向けたMOU締結に接近したと報じた。MOUには、イランの核濃縮の一時停止(モラトリアム)、米国の対イラン制裁解除と凍結資産の一部解放、イランによるホルムズ海峡の通航制限の段階的解除、米国による対イラン海上封鎖の段階的解除が盛り込まれたという。両国はまずこの内容でMOUを結び、その後30日間かけて終戦に関する細部条件を詰める交渉を続ける案を検討しているもようだ。イラン外務省も、米国の提案を検討していると明らかにした。
この報道の直後、IRGC海軍司令部は声明で、侵略者である米国の脅威が終わり、新たな手続きが整えられることで、ホルムズ海峡の安全で安定的な通航が保証されると表明した。さらに、ホルムズ海峡に関するイランの規定を順守し、地域の海洋安全保障に寄与したペルシャ湾とオマーン湾の船長や船主に謝意を示した。
これは、トランプ米大統領が5月5日に自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、イラン代表団との間で完全かつ最終的な合意に向けて大きな進展があったと投稿し、「解放プロジェクト」を一時中断することで一致したと明らかにして以来、イラン側が示した初の公式反応となる。
交渉進展の報道を受け、国際原油は急落した。5月5日にニューヨーク商業取引所で3.90%下げた6月物の米国産標準油種(WTI)先物は、5月6日に一時10%超下落し、1バレル89ドルまで下げた。北海ブレント原油の7月物も取引時間中に9%超下げ、1バレル99ドルを付けた。
イラン核凍結と米制裁緩和の「大型取引」 1ページの終戦合意へ秒読み
米「48時間以内に回答を」 イラン「安全な船舶通航を保証」
IRGCがホルムズ海峡の安全通航を保証したことは、米国との合意が前向きに進んでいる兆候と受け止められている。トランプ大統領がホルムズ海峡での米軍の「プロジェクト・フリーダム」作戦を電撃的に中止したのも、イランとの交渉進展が背景にあるとみる向きが多い。ただ、米国は対イラン海上封鎖措置を維持しており、イランも海峡の統制権を握っている。交渉が決裂すれば、両国の軍事衝突が再開する可能性は残る。

終戦合意は実現するか
アクシオスは5月6日、ホワイトハウスとイランのMOU合意が近いと報じた。今後48時間以内に、いくつかの核心事項についてイランの回答を期待しているという。消息筋は、まだ合意には達していないが、戦争勃発後では双方が最も妥結に近い状況だと語った。
報道によると、1ページのMOUには、戦争終結と核を巡る詳細協議の基本原則を示す14項目が盛り込まれた。内容には、イランの核濃縮の一時停止、米国の対イラン制裁解除と凍結資産の一部解放、イランによるホルムズ海峡の通航制限の段階的解除、米国による対イラン海上封鎖の段階的解除が含まれるとされる。米制裁解除を巡る詳細合意に向け、30日間の追加交渉開始を宣言する内容も入った。追加交渉の開催地としては、パキスタンのイスラマバードかスイスのジュネーブが挙がっている。現在はスティーブ・ウィトコフ米特使と、トランプ大統領の娘婿ジャレッド・クシュナー氏が、直接または仲介者を通じてイラン当局者とMOUの内容を協議している。
ただ、イランの核問題を巡る部分はなお交渉が続いている。消息筋は、イランが高濃縮ウランを海外に搬出する案に同意する可能性があると語った。この物質を米国へ移送する案も検討しているという。2025年6月、米国とイスラエルがイランを攻撃した「12日戦争」で、イランの3カ所のウラン濃縮施設は破壊されたが、濃度60%の濃縮ウラン約440キログラムの所在はなお確認されていない。これまで高濃縮ウランの国外搬出を認めないとしてきたイランが立場を変えれば、終戦交渉は一気に進む可能性がある。
「イランの船舶攻撃が再び発生」
これに先立ち、マルコ・ルビオ米国務長官はホワイトハウスでの記者会見で「壮大な怒り」作戦の終了を公式に発表した。ルビオ氏は、先週末に「プロジェクト・フリーダム(解放プロジェクト)」が始まったと説明し、湾岸海域に足止めされ、2カ月超放置されている87カ国出身の民間人約2万3000人を救出するのが目標だと述べた。だが、その説明から3時間もたたないうちに、トランプ大統領はSNSで、イランとの会談進展を理由に解放プロジェクトを中止すると表明した。その後、イラン軍がホルムズ海峡の再開放方針を示唆し、両国の終戦を巡る合意が進んでいるとの見方が広がった。
そのため、イラン空爆を再開する可能性は次第に小さくなっている。ルビオ長官は防衛作戦である点を強調した。ピート・ヘグセス米国防長官も、イランが周辺国を攻撃したとしても、停戦状況との判断は変えなかった。
イランは、こうした展開は自国が優位に立った結果だと主張している。海峡の統制権も引き続き握っている。IRGCは5月5日、海峡を通過しようとするすべての船舶について、イラン軍の許可が必要だと発表した。
ヤドッラ・ジャバニIRGC副司令官は、イランが指定した航路だけがホルムズ海峡を通過できる唯一の安全な航路だと述べた。そのうえで、それ以外の経路に外れる船舶は安全ではなく、IRGC海軍の断固たる対応に直面すると警告した。当面は、革命防衛隊が示した新たな規定の施行に船舶側が従うことを前提に、海峡の安全航行を保証するという意味になる。
IRGCの攻撃を受けた船舶も引き続き発生している。世界3位の海運会社であるフランスのCMA CGMは5月6日、自社船1隻が5月5日にホルムズ海峡を通航中、攻撃を受けたと明らかにした。
ワシントン=イ・サンウン特派員/キム・ドンヒョン記者 selee@hankyung.com

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