ホルムズ封鎖でカスピ海が急浮上 イラン・ロシアの「裏取引」台頭

出典
Korea Economic Daily

概要

  • 米軍の ホルムズ海峡封鎖 を受け、ロシアが カスピ海 を通じてイランに軍需物資や必須食料品を供給する中核的な交易ルートとして活用していると報じた。
  • カスピ海ルートを通る船舶は 衛星追跡装置(AIS) を切って航行しており、実際の 貿易規模 は不透明だ。外部艦艇の進入も難しく、米軍の監視と作戦遂行 は極めて困難だという。
  • 専門家は、カスピ海が 制裁回避のための軍需物資輸送 に最も適した場所であり、米国の政策立案者には 地政学的ブラックホール とみなされていると指摘した。

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写真:EvaL Miko/Shutterstock
写真:EvaL Miko/Shutterstock

米国との戦争の余波でホルムズ海峡が封鎖され、カスピ海がイランの新たな戦略物資輸送ルートとして急浮上している。

米紙ニューヨーク・タイムズ(NYT)は5月8日、カスピ海が、西側の制裁と戦争という共通項を抱えるイランとロシアの中核的な交易ルートになっていると報じた。ロシアはこれまで主にホルムズ海峡経由でイランに物資を供給してきたが、米軍の封鎖で航路が断たれた後は、内陸海のカスピ海を代替ルートとして積極活用しているという。

カスピ海はイラン北部に位置する世界最大の内陸海で、ロシア、アゼルバイジャン、トルクメニスタン、カザフスタンを含む5カ国に囲まれる。名称は「海」でも外洋と直接つながっておらず、地理学上は巨大な湖に近い。

米当局は、ロシアがこのルートを通じてイランにドローン部品などを継続的に供給しているとみている。2カ月超にわたる米国との戦闘のなかでもイランが兵器庫を再建しつつ持ちこたえている背景には、ロシアによるこうした「裏取引」があると判断している。

実際、イスラエルは3月、カスピ海一帯のイラン海軍施設を空爆した。NYTは、これも武器輸送ルートを遮断する狙いだったと分析した。現在、イランはカスピ海沿岸の4港を24時間稼働させ、小麦やトウモロコシ、ヒマワリ油など必須食料品も大量に搬入している。

一方で、イランがロシア・ウクライナ戦争向けにロシア側へ弾薬を補給する際にも、この航路が使われているもようだ。

ただ、カスピ海経由の実際の貿易規模はなお見えにくい。ここを通る船舶が衛星追跡装置(AIS)を切ったまま「ゴースト運航」を続けているうえ、ペルシャ湾と異なり外部艦艇が進入できない閉鎖的な構造のため、米軍にとって監視や作戦の実施は極めて難しいためだ。

パリ政治学院のニコル・グラエフスキー氏は、制裁を回避して軍需物資を移動させるには、カスピ海が最も理想的な場所だと説明した。

ハドソン研究所のルーク・コフィー上級研究員は、カスピ海沿岸国を管轄する米軍司令部がそれぞれ分散している点を挙げ、「米国の政策立案者にとってカスピ海は地政学的なブラックホールのようなもので、まるで存在しない空間のように扱われている」と指摘した。

キム・ソヨン 韓経ドットコム記者 sue123@hankyung.com

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