米国「すべてを持って来い」と圧力…さらに緊迫した『チームコリア』

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • 米国のハワード・ラトニック商務長官が韓国交渉団に「完全な市場開放」と共に「投資総額」の増額を強く要求したと報じられた。
  • 韓国政府と企業トップは「造船・半導体・自動車」など様々な分野で「1000億〜2000億ドル」規模の協力パッケージを提案したが、米国の期待には及ばないとの評価があった。
  • 米国が求める「投資総額」の下限は3000億ドルとされ、協議で成果が出なければ「関税引き上げ」や追加的な市場開放カードの活用圧力が高まる可能性があると伝えられた。

韓国交渉団、ラトニック氏と会談…米「完全な市場開放」を要求

鄭義宣氏もワシントン入り…企業トップらが相次ぎ交渉を側面支援

具潤哲副首相兼企画財政部長官(右から2番目)、金正官産業通商資源部長官(1番目)、呂韓求通商交渉本部長(4番目)ら韓国交渉団が29日(現地時間)、米ワシントンD.C.にある米商務省でハワード・ラトニック商務長官(左から3番目)ら米国交渉団と通商協議を行っている。写真提供=企画財政部
具潤哲副首相兼企画財政部長官(右から2番目)、金正官産業通商資源部長官(1番目)、呂韓求通商交渉本部長(4番目)ら韓国交渉団が29日(現地時間)、米ワシントンD.C.にある米商務省でハワード・ラトニック商務長官(左から3番目)ら米国交渉団と通商協議を行っている。写真提供=企画財政部

韓国と関税交渉中のハワード・ラトニック米国商務長官が「トランプ大統領を説得するには、最高かつ最終的な貿易協定案をテーブルに出してほしい」と述べたと伝えられている。韓国の従来案には満足していないという意味合いを示唆したものと見られる。交渉に臨む韓国の負担がさらに増した。

ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は29日(現地時間)、ラトニック長官が最近、英国スコットランドに自身を訪ねてきた金正官産業通商資源部長官と呂韓求通商交渉本部長にこのように要請したと報じた。ラトニック長官はドナルド・トランプ大統領に最終案を提出する際、「すべてを持ってくる必要がある」とし、「トランプ大統領が日本、欧州連合(EU)、英国など主要パートナーとはすでに多数の貿易協定を結んでいる状況で、なぜ韓国との新たな協定が必要なのかを説得しなければならない」と強調したという。ラトニック長官は同日、CNBCのインタビューでは「米国との合意の条件は今や明確だ。完全な市場開放だ」と述べた。

トランプ大統領は同日、スコットランドからホワイトハウスに戻る専用機の中で「韓国との関税協定は明日(30日)終わるのか」との記者の質問に「関税は明日終わらない」と答えた。相互関税交渉の期限(8月1日)前まで容易には終結しないことを示唆した。

韓国側は土壇場の総力戦に突入した。具潤哲副首相兼企画財政部長官は同日、ワシントンD.C.に到着後すぐに金長官、呂本部長と共に2時間ほどラトニック長官と会談した。

具副首相は31日にスコット・ベッサント財務長官と会談予定である。ただしベッサント長官が米中協議を終えて30日に米国に戻ることから、それ以前に追加協議が行われる可能性もある。趙賢外交部長官も日本を経て30日に米国に到着し、31日にマルコ・ルビオ国務長官と会う。鄭義宣現代自動車グループ会長は李在鎔サムスングループ会長、金東官ハンファグループ副会長に続いてワシントンD.C.に合流することになった。経済・通商・外交の閣僚はもちろん、企業トップも総出で交渉と側面支援に動員された形だ。

「最終案を出せ」米国の最後通牒…トランプ氏が望むのは結局『投資額』

1000億ドル+α vs 4000億ドル…李在明氏「交渉団、自信をもって臨んでほしい」

ハワード・ラトニック米商務長官が韓国交渉団に「最終かつ最高の提案を持ってこい」と要求したのは、事実上、対米投資額を増やすよう圧力をかけたものと解釈される。韓国交渉団が提示した「1000億ドル+α」の投資額がドナルド・トランプ大統領の水準に合わないとの考えだ。韓国側が提案する「韓米ものづくり協力」も重要だが、最終的にトランプ大統領が重視するのは米国民に即座に伝わる「数字」だという分析だ。

交渉の最後のピースは「数字」

韓国交渉団は「MASGA(米国造船業を再び偉大に)」のもと、造船・半導体・自動車分野で協力パッケージを提示している。財界トップ自らが同行し、業界別の投資計画や韓米共同ビジョンを直接説明する方式だ。金容範大統領室政策室長は30日、「我々が耐えうる範囲で韓米間で互恵的な成果を出せる分野を核にパッケージを組み交渉している」とし、「造船に限らず半導体、二次電池、バイオなども議題になっている」と明かした。

だが米国の反応は冷ややかだ。ラトニック長官は「すべてを持ってこい」と公開で圧力をかけ、「トランプ大統領に韓国との新協定がなぜ必要か納得させよ」と強調した。韓国の提案は米国の期待に届いていないというサインだと解釈される。

日本は5500億ドル、EUは6000億ドル規模の対米投資計画を提示し、相互関税を25〜30%から15%に引き下げた。自国市場の開放や大規模エネルギー・防衛産業購入が含まれる「ビッグディール」パッケージも同時に示した。対して韓国の投資総額は1000億〜2000億ドル水準とされる。

通商専門家の間では、韓国の経済規模や対米貿易黒字などを総合的に考慮すると、米国の期待する下限ラインは3000億ドル前後という観測も出ている。

許正国際通商学会長は「ラトニック長官が求めているのは、トランプ大統領に持ち帰るパネルに書く投資総額と関税率、この2つの数字だけだ」とし、「トランプ大統領がその場で最終修正する数字が、まずラトニック氏の基準を通過しなければならない」と語った。続いて「米国は『まず総額提示、次に各論協議』型を好むようだ」とし、「これまで政府は分野別協力策説明など部分議論に重きを置いてきたが、今後は総額提示に主軸を移す必要がある」と助言した。

ラトニック氏との第5回協議は必須

政府関係者の間では、31日(現地時間)具潤哲副首相とスコット・ベッサント米財務長官の会談前に、ラトニック長官との第5回協議がぜひとも実現すべきだとの意見で一致している。実質的な交渉の調整や関税構造設計を担うのがラトニック氏だからだ。

ある外交筋は「確定した投資総額なしに『これが最善だ』というメッセージでベッサント長官と会えば、米側は交渉終了とみなしトランプ大統領にそのまま報告する可能性が高い」とし、「その場合は15%ではなく20%の関税水準で決着される恐れもある」と述べた。投資総額を大幅に引き上げるのが難しい場合、農畜産物市場の開放、オンラインプラットフォーム規制の猶予、グーグル地図データの域外持ち出し許可、米国製武器の追加購入拡大などを大胆に活用すべきという声も上がる。

もう1つのシナリオは、交渉の延期だ。日本やEUに比べ高位級調整や首脳間の接触が十分でなかった点を踏まえ、今回の会議で無理に結論を出すのではなく、8〜9月の首脳会談で勝負に出るのが現実的という見方もある。

李在明大統領は当日、交渉団に「難しい交渉とは理解しているが、我が国5200万人の代表として堂々と臨んでほしい」と要請したと姜裕貞大統領室報道官が伝えた。

ワシントン=李尚恩・朴信英特派員/河智恩/金リアン記者 selee@hankyung.com

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