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力を失う米利下げ論…パウエル議長の発言に注目する市場

ソース
Korea Economic Daily

概要

  • 米国中央銀行(Fed)の利下げに対する慎重論が拡大するなか、9月の金利据え置き予想が急速に高まっていると伝えた。
  • Fed関係者は、インフレや労働市場指標のバラつきを根拠に利下げの判断に慎重な姿勢を示していると述べた。
  • 市場ではJerome Powell Fed議長のJackson Hole講演が今後の金利政策の重要な手掛かりになると注目を集めていると伝えた。

米国中央銀行(Fed)で利下げに対する「慎重論」が続いている。市場では、9月の利下げを断言しにくいとの見方が広がりつつある。

22日、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)フェドウォッチによると、市場はFedが9月の連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を据え置く確率を26.7%と見ている。14日の7.8%から上昇した。依然として利下げを期待する見方が多いが、据え置きに賭ける投資家が急速に増えている。市場はJerome Powell Fed議長のJackson Hole会議でのスピーチに注目している。

強まる米国の利下げ慎重論…9月据え置き確率8% → 27%

Jackson Hole会議に集まる視線…Fed内部で金利政策の意見対立

Donald Trump米国大統領の関税政策によるインフレ懸念と雇用市場の減速兆候が重なり、米国中央銀行(Fed)の悩みが深まっている。当初、市場では9月の利下げ期待が95%前後まで高まっていたが、最近は73%台まで低下した。据え置きへの賭けが強まった形だ。

◇金利据え置き予想の急上昇

シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)フェドウォッチによれば、22日の金利先物市場ではFedが9月会合で政策金利を据え置く(年4.25~4.5%)確率を26.7%、0.25%ポイント引き下げる確率を73.3%と予想した。

米国ワイオミング州Jackson Holeで21日(現地時間)に始まった「Jackson Hole会議」でFed関係者が9月の利下げに慎重な姿勢を示したことで、市場は据え置き確率を引き上げた。Jeffrey Schmid 米Kansas City連銀総裁はこの日、CNBCのインタビューで「政策金利を動かすには決定的なデータが必要だ」とし、「今と9月の間に言及すべき点が多い」と語った。

来月16~17日に開かれるFOMC会合までに物価や雇用から利下げできる指標が出なければ、利下げは懐疑的だと解釈される。Schmid総裁は今年のFOMC投票権を有している。先月のFOMC会合では据え置きに投票し、7月のFOMC議事録でも米雇用市場は「堅調」との診断を示した。

同日Jackson Hole会議に出席したBeth Hammack クリーブランド連銀総裁もYahoo Financeのインタビューで、雇用状況よりインフレリスクの方が大きいと述べた。Hammack総裁は「我々は非常に高いインフレ率を経験しており、過去1年間上昇傾向が続いている」「私の情報で明日(FOMC)会議があるとしたら、金利を引き下げる根拠は見当たらない」と明かした。また、企業が関税に伴う価格引き上げを先送りしてきたが、来年には全面的な影響が現れると予想した。

一方、Susan Collins ボストン連銀総裁はWall Street Journal(WSJ)のインタビューで、労働市場に少し重点を置いた。Collins総裁は「9月FOMC前のデータが『インフレ上昇リスクより労働市場悪化リスクの方が大きい』と示すなら、まもなく利下げを始めるのが適切になり得る」と述べた。

米国労働省によると、先週(8月10~16日)の新規失業保険申請件数は23万5,000件で前週比1万1,000件増加した。約3カ月ぶりの大幅増となった。2週以上失業保険を申請した継続申請件数も今月9日基準で197万2,000件となり、2021年11月以降で最も高い水準だった。

Reutersは「Fed内部では、物価上昇が一時的なショックに過ぎず無視してよいのか、それとも持続的な流れの始まりなのかで議論が起こっている」と伝えた。Fedが金利決定の根拠とする雇用指標とインフレが食い違う状況だ。2021~2022年のコロナ19パンデミック時、Fedが性急に利下げを実施し高インフレを招いた痛い記憶もある。

Raghuram Rajan前インド中銀総裁はThe New York Times(NYT)に「利下げ後に再び戻さねばならない状況は信頼に重大な打撃となる」とし、「中央銀行は待ちながら状況を見守ることはできるが、政策を瞬時に転換はできない」と語った。

こうした中、Trump大統領は連日金利引き下げを圧力をかけている。前任のJoe Biden政権時に任命されたFed理事を利下げ志向の「親Trump」人事に入れ替えたりしようとしている。Scott Besant 米国財務長官はさらなる要求として「ビッグカット」(一度に0.5%ポイント引き下げ)も要望した。

市場でJerome Powell Fed議長のJackson Hole基調講演が注目される理由だ。特に今回の講演は2018年からFed議長を務めてきたPowell議長が基調講演する実質的に最後のJackson Hole会議となる。

◇Walmart「年末までコスト増加」

Trump大統領の関税政策が物価を刺激するとの懸念が出る中、小売業者は低調な業績を報告した。米国最大の小売業者Walmartは3年ぶりに初めて利益が市場予想を下回った。発表でDoug McMillon Walmart CEOは「関税課税後の価格水準で在庫補充をする中、毎週コストが増加している」「第3四半期、第4四半期もこの傾向が続く」と語った。また一部の中間所得・低所得家庭は価格が上がった裁量消費財の購入を中断したと説明した。可能な限り長く値上げを見送る方針も明らかにした。今年5月、Walmartが関税の影響で製品価格引き上げを予告した際、Trump大統領はWalmartに計画撤回を圧力をかけた。

大手スーパーのTargetも前四半期の売上高と純利益が共に減少し、Home Depotも市場予想を下回る業績となり一部製品の値上げを予告した。

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