米下院議員ら、ステーキング課税基準の再検討を要求…「二重課税の解消が必要」

米国議会で仮想資産のステーキング課税方式の再検討を求める動きが本格化している。超党派の下院議員らが現行制度が過度な税負担を招いているとして、税務当局にガイドラインの修正を促した。

22日（現地時間）、コインテレグラフによると、米下院所属の共和・民主両党の議員18人は20日、米国内国歳入庁（IRS）のスコット・ベセント暫定長官に書簡を送り、仮想資産のステーキング報酬に関する課税指針を再検討するよう要請した。今回の書簡は共和党のマイク・キャリー議員が主導した。

議員らは書簡で、ステーキング報酬に対して支払時点と売却時点でそれぞれ課税する現行方式が「過度の行政負担と事実上の二重課税を招いている」と指摘した。それにより報酬が実際に売却される時点で課税する方式に基準を変更すべきだと主張した。キャリー議員は「デジタル資産に対する公正な課税を求めるものであり、ステーキング報酬の二重課税を解消することが重要な第一歩だ」と述べた。

議員らはまた、現行課税体系がステーキング参加を抑制していると強調した。書簡には「何百万もの米国民が当該ネットワークのトークンを保有しており、ネットワークのセキュリティと米国の技術リーダーシップの維持のためにこれらの人々がトークンをステーキングできる必要がある」とし「しかし現在の税制は過度な税負担と行政リスクで参加を妨げている」との内容が盛り込まれている。

さらに議員らは年内の指針改定に行政的障害があるかどうかを尋ね、今回の調整が現行政権が掲げる「デジタル資産イノベーション分野での米国のリーダーシップ強化」の方針とも合致すると強調した。

一方、仮想資産税制の緩和をめぐる議論は今回が初めてではない。21日には下院議員マックス・ミラーとスティーブン・ホースフォードが、小額ステーブルコイン取引を譲渡所得税の課税対象から除外し、ステーキング・マイニング報酬に関して課税時点を猶予する案を含む検討草案を別途公表した。ただしこの案は現行制度を全面的に修正するのではなく、最長5年間所得認識を繰り延べることができる選択肢を付与する方式である点で差異がある。