ニューヨーク近代美術館、クリプトパンクとクロミ・スクイグルのNFTを永久所蔵リストに追加

米国ニューヨーク近代美術館（MoMA）が代替不可能トークン（NFT）ベースのオンチェーン・アート作品を永久所蔵リストに含めた。

現地時間の21日、The Blockによると、ニューヨーク近代美術館はクリプトパンク8点とクロミ・スクイグル8点、合計16点をメディア・パフォーマンス部門の永久所蔵コレクションに追加した。これらの作品はいずれも購入ではなく寄贈の形で入手され、映像芸術や実験的技術を基盤とする作品とともに管理される予定だ。作品は美術館の公式ウェブサイトで公開される。

所蔵されたクリプトパンクは #74、#2786、#3407、#4018、#5160、#5616、#7178、#7899 などである。そのうち一部はクリプトパンクを制作したLarva Labsの共同創設者マット・ホールとジョン・ワトキンソンが直接寄贈し、その他にも個人コレクターやコレクション団体が参加した。

クロミ・スクイグルもコミュニティベースの寄付を通じて所蔵が行われた。スクイグルDAO（SquiggleDAO）をはじめ複数のNFT収集家や団体が寄贈に参加し、1OF1アートは今回の寄贈過程全体を調整したと述べた。この過程で美術館側のキュレーターの積極的な協力があったとの説明も付け加えた。

クリプトパンクは2017年にリリースされたNFTプロジェクトで、イーサリアム（ETH）ベースのERC-721標準が確立される以前に制作された点で歴史的な意義を持つ。合計1万のピクセルアバターで構成されたこのプロジェクトは、その後プロフィール画像（PFP）中心のNFT市場の原型と評価されている。

市場では今回の所蔵決定がオンチェーン芸術が一時的な流行を超え現代美術の一ジャンルとして定着しつつあることを象徴的に示しているという解釈が出ている。特に世界的な現代美術館がNFT作品を公式コレクションに含めた点で、デジタル資産と芸術の結合が制度圏の文化領域へ拡大しているという評価だ。