概要
- オラクル、コムキャスト、スポティファイなどの世界企業は、共同CEO体制に移行し、専門性の強化と経営リスクの縮小を図っている。
- 共同CEOは、業界トレンドへの対応や技術革新、組織の安定運営と品質管理を分担し、リーダーシップの連続性を確保できる。
- 共同CEOは、責任の境界が明確で、それぞれが担う事業分野に集中できるため、過去に効果的に協力した経験を持つリーダーほど成功の可能性が高いと分析した。
期間別予測トレンドレポート


専門性の強化や経営リスクの抑制を狙い、共同代表体制に移る企業が増えている。金融のゴールドマン・サックスからITのネットフリックスまで業種は幅広い。1社が複数の事業分野に進出するのが当たり前になるなか、責任と能力の分担の重要性は一段と高まっている。
2025年9月、世界の経営界で共同経営への動きが広がった。9日間のうちに、IT大手のオラクル(Oracle)、メディア大手のコムキャスト(Comcast)、音楽配信大手のスポティファイ(Spotify)が2人の最高経営責任者(CEO)体制を相次いで発表した。いずれもそれまでは単独CEOで運営してきた企業だ。

オラクルは2014年9月、創業者のラリー・エリソンがCEOを退き、マーク・ハードとサフラ・キャッツの共同CEO体制に移行した。当時の海外メディア報道によると、2人は「共同(co-)」の表現を避け、それぞれCEOと呼ばれていた。2019年9月にハードが急死して以降は、キャッツの単独CEO体制が続いてきた。2025年9月には、キャッツがアマゾンの副会長に就いたのを受け、クレイ・マグワークとマイク・シシリアの共同CEO体制に戻した。
キャッツが単独でオラクルを率いていた当時は、「共同CEOモデルは死んだ」と受け止める向きもあった。オラクルだけでなく、共同CEO制を採っていたセールスフォースとSAPも単独CEO体制に戻したためだ。SAPは新型コロナウイルス禍の拡大後、「意思決定の簡素化」を理由にCEO職を1人に絞った。2019年10月にジェン・モーガンとクリスチャン・クラインを共同CEOに起用してから6カ月後のことだった。
足元で共同CEOが再び注目される背景には、経営の専門性とリスクヘッジの重要性の高まりがある。専門性の面では相互補完の効果が見込める。1人が業界トレンドへの機敏な対応や技術革新を担い、もう1人が組織の安定運営や品質管理に力を注ぐことができる。2人のうち1人が退任しても、リーダーシップの連続性を保ちやすい。
共同CEOは、最高執行責任者(COO)や最高技術責任者(CTO)など従来のCレベル幹部と比べても、対等な地位を持つ点も利点とされる。豪鉱山大手フォーテスキュー(Fortescue)で金属・操業部門のCEOを務めるディノ・オトラントは英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)に「共同CEOは責任の境界が明確だ」と述べた。各CEOが担う分野に集中できるという意味だ。
共同CEO制は、経営トップ同士が過去に効果的に協力した経験を持つ場合に成功しやすいとの指摘もある。カリフォルニア・マネジメント・レビューは報告書で、セールスフォースにおけるマーク・ベニオフとキース・ブロックについて、相互尊重と効果的な意思決定が成功につながったと分析した。一方、その後のブレット・テイラーとの共同経営は、マーク・ベニオフに権限が偏った不均衡な権力構造のため長続きしなかったと結論づけた。
ソン・ジュヒョン 韓経ドットコム(Hankyung.com)記者 handbro@hankyung.com

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